知的障害当事者の研究参画、スペインの大学における実践
本記事では、発達障害および知的障害に関連する最新の学術研究から2つの重要な事例を紹介しています。1つ目は、自閉スペクトラム症(ASD)の若者とその保護者が経験する摂食障害治療において、誤診や定型的な回復基準の押しつけにより「誤解されている」と感じる実態と、それにより生じる心理的・実践的課題、そしてASDに特化した丁寧で安全な支援体制の必要性を明らかにした質的研究です。2つ目は、スペインの大学で実施されたインクルーシブ研究の実践例で、知的障害当事者が助言グループとして研究に参画することで、より実効性のある提案と当事者主体の知見が導かれたこと、同時に制度的支援の整備が今後の課題であることが示されています。いずれの研究も、支援の現場における当事者理解と共創の重要性を強調しています。
