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ADHDを有する子どもに対してASDの診断・スクリーニングツールがどれほど正確にASDを除外できるか

· 2 min read
Tomohiro Hiratsuka
CEO of Easpe, Inc

本記事は、ADHDを持つ子どもに対するASD(自閉スペクトラム症)の診断・スクリーニングツールの精度を評価した系統的レビューを紹介しており、特異度が高く有効とされるツールがある一方で、女子や知的障害を併存する子どもが研究で十分に扱われていない点や、診断手法におけるバイアスの問題を指摘しています。特に「社会的コミュニケーション質問票(SCQ)」は信頼性が高いとされつつも、今後は多様なサンプルと厳密な方法論に基づいた研究が必要であることが強調されています。

学術研究関連アップデート

Performance of Autism Screening and Diagnostic Instruments Among Children with ADHD: A Systematic Review

この系統的レビューでは、ADHD(注意欠如・多動症)を有する子どもに対して自閉スペクトラム症(ASD)の診断・スクリーニングツールがどれほど正確にASDを除外できるかを評価しています。対象となった20件の研究で用いられた8つのツールのうち、67%はASDを適切に除外できる特異度(0.8以上)を示していましたが、診断目的のツールに関する研究はわずか5件にとどまっていました。特に「社会的コミュニケーション質問票(SCQ)」は最も多く研究され、安定した信頼性が報告されています。一方で、研究の多くはサンプル構成(女子や知的障害を併存する子どもが少ない)や診断手法(最良推定診断やブラインド手法の不使用)においてバイアスのリスクが高いと評価されました。本レビューは、特に女子や知的障害を併せ持つADHD児へのASDスクリーニング・診断の精度向上と、方法論的に厳密な研究の必要性を強調しています。