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複数の精神疾患を併存する子どもほど自閉症診断が遅れる

· 35 min read
Tomohiro Hiratsuka
CEO of Easpe, Inc

この日のブログでは、発達・精神領域を横断する11本の最新研究を紹介しています。具体的には、①複数の精神疾患を併存する子どもほど自閉症診断が遅れるという大規模疫学研究、②アルツハイマー病薬がASD+低IQ児の言語や実行機能など認知に与える影響を整理したスコーピングレビュー、③Dscam遺伝子の用量依存性からASDとアルツハイマー病の分子メカニズムを再考するレビュー、④ビタミンD欠乏とADHDリスク・症状改善の関連を検証したメタ分析、⑤早期介入専門職によるコーチングと親実施型PBSを組み合わせたハイブリッド支援で自閉症幼児の問題行動が減少したパイロット試験、⑥精神科入院中の自閉症児・青年におけるてんかん有病率と関連因子の分析、⑦アイルランドの一般・ASD・ID青年の歯磨き習慣の予測因子を明らかにした公衆衛生研究、⑧自閉症高リスク乳幼児の物の遊び発達を追跡し、単独の物遊びは早期マーカーとして弱いと示した発達心理学研究、⑨抗炎症性サイトカインIL-37・IL-38とASDの神経炎症・治療標的可能性を総括した免疫レビュー、⑩抜毛症・皮膚むしり症の「自然回復」例の臨床的特徴を検討したパイロット研究、⑪顔画像・音声・テキスト解析を用いたAIによるASD診断支援の現状を俯瞰したレビューであり、診断時期・薬物療法・分子機序・生活習慣・家族支援・AI活用まで、発達障害・精神疾患を多層的に捉える内容になっています。

学術研究関連アップデート

Later Age of Autism Diagnosis in Children with Multiple Co-Occurring Psychiatric Disorders


研究紹介・要約(JADD, 2025/併存精神疾患が多い自閉症児は診断が遅れやすい)

論文タイトルLater Age of Autism Diagnosis in Children with Multiple Co-Occurring Psychiatric Disorders

著者:Brian C. Kavanaugh ほか

掲載誌Journal of Autism and Developmental Disorders(2025年)

テーマ:ASD診断時期・精神疾患の併存・大規模データ分析


■ どんな研究?

この研究は、精神疾患を複数併存している自閉スペクトラム症(ASD)児は、ASDの診断がどれぐらい遅れるのかを、非常に大規模なデータセットを使って検証したものです。併存する疾患によって診断時期が変わる要因を明らかにし、診断遅延のリスクを特定することが目的です。


■ 方法:2つの巨大データで検証

  • RI-CARTデータ(アメリカ・ロードアイランド):823名

  • SPARKデータ(全米規模):52,611名

    → 合計 5万人超という、ASD研究として最大級のサンプル。

対象とした併存精神疾患は以下:

  • うつ病
  • 不安症
  • 双極性障害
  • OCD(強迫症)
  • ADHD
  • 反抗挑戦性障害(ODD)
  • 行為障害(Conduct Disorder)
  • 知的障害(ID) など

また、診断年齢に影響する可能性のある 言語能力・IQ・自閉症症状の重さ・適応行動・薬物使用 なども統計的に調整。


■ 主な結果

1. 併存疾患が多いほど、ASD診断が遅れる

RI-CARTでは:

  • 併存なし:診断 4.3歳
  • 併存1〜2つ:7.1歳
  • 併存3つ以上:8.5歳

SPARKでも同じパターン:

  • 併存なし:4歳
  • 併存1〜2つ:7.1歳
  • 併存3つ以上:10歳(6歳遅れ)

精神症状が重なるほど診断が長期化する、非常に明確な傾向。


2. 疾患ごとに診断遅延への影響が異なる

  • うつ病、ADHD → ASD診断を遅らせる
    • 行動面の問題や不注意が先に目立つため、ASD の見落としが起きやすい。
  • OCD、知的障害(ID) → ASD診断が早まる
    • ASD固有の特徴(こだわり、発達遅滞)が早期から顕著に表れやすいため。

3. 症状の重さや性別を調整しても、結果は変わらない

「併存疾患の数そのもの」が、独立して診断遅延の最大の要因であることが示された。


■ 考察:併存の多い子どもは“別の ASD サブタイプ”かもしれない

  • 幼少期には精神疾患の症状が前景化し、ASDの特徴が覆い隠される
  • 精神科・学校・家庭で ASD が想定されるのが遅れる
  • 結果として ASD診断が大幅に遅れやすい

著者らは、併存疾患が多い子どもは、特有の発達プロファイルを持つ ASD サブグループである可能性を示唆している。


■ 臨床・支援への示唆

  • ADHD やうつ症状が見られる子どもは、ASDの見落としが起きやすいため、より系統的なスクリーニングが必要。
  • 精神科・小児科・学校が連携し、併存症状に隠れたASD特徴を早期に発見する診断プロセスが求められる。
  • 精神疾患の併存は「問題」ではなく、診断の複雑化を引き起こす構造的要因であるという理解が重要。

■ 一文要約

精神疾患を複数併存する自閉症児は、5万名規模のデータからも ASD 診断が大幅に遅れやすいことが一貫して示され、特に ADHD・うつ病が遅延を引き起こす一方、OCDや知的障害は早期診断につながる──診断システムの改善が急務であると示す研究である。

Effect of Alzheimer’s disease medications on neurocognitive outcomes in children and adolescents with autism spectrum disorder and low IQ: a scoping review

研究紹介・要約(Translational Psychiatry, 2025/アルツハイマー病薬がASD+低IQの認知に与える影響)

論文タイトルEffect of Alzheimer’s disease medications on neurocognitive outcomes in children and adolescents with autism spectrum disorder and low IQ: a scoping review

著者:Nicholas Diamandis ほか

掲載誌Translational Psychiatry(2025年)

領域:神経発達症、認知機能、薬理介入、スコーピングレビュー


■ どんな研究?

自閉スペクトラム症(ASD)と知的障害(ID)が併存する子ども・青年は、認知発達のリスクが高く、後年のアルツハイマー病(AD)発症率も高いとされます。本研究は、AD治療薬がASD+低IQの若年層において認知機能改善をもたらし得るかという視点で、既存研究を体系的に整理した最初期のスコーピングレビューです。

対象となった薬剤は FDA 承認の AD 薬:

  • コリンエステラーゼ阻害薬(donepezil, galantamine, rivastigmine など)
  • NMDA受容体拮抗薬(memantine など)

ASDへの認知支援薬は現状存在しないため、**既存薬のリポジショニング(drug repurposing)**として重要な視点の研究です。


■ 方法

  • 対象:ASD+低IQ(IQ<85)、年齢2〜21歳
  • 検索範囲:PubMed, PsycInfo, Scopus, Web of Science
  • 期間:データベース開始〜2025年5月
  • 収集された研究数:12件
    • NMDA拮抗薬:6件
    • コリンエステラーゼ阻害薬:6件

評価対象は以下の認知領域:

  • 言語
  • 実行機能(ワーキングメモリ、認知柔軟性など)
  • 注意
  • 学習・記憶
  • 知覚−運動
  • 全般的認知能力(IQ相当)

■ 主な結果

1. コリンエステラーゼ阻害薬の効果

報告のある研究のうち:

  • 言語:60%で改善
  • 実行機能:100%で改善
  • 複雑注意:100%で改善
  • 全般的認知能力:50%で改善

→ ASD+IDの認知に対し、特に「実行機能」に安定した改善パターン。


2. NMDA受容体拮抗薬の効果

改善が報告された割合:

  • 言語:60%
  • 実行機能:75%
  • 学習・記憶:100%
  • 知覚−運動:66.6%
  • 複雑注意:100%
  • 全般的認知能力:50%

→ コリンエステラーゼ阻害薬よりも対象領域が広く、認知全般にポジティブな影響が見られる。


3. 共通して改善が見られた認知領域

  • 言語能力
  • 実行機能
  • 複雑注意
  • 全般的認知能力

特に 言語と実行機能は両薬剤群で一貫して改善が報告されている点が重要。


4. 年齢効果(若いほど効果が大きい)

  • 幼児〜小児のほうが効果が強く
  • 思春期では改善効果が弱まる傾向

神経可塑性や発達段階の影響が考えられる。


■ 意義

  • ASDの認知機能(特にID併存)を改善する薬物は現状存在しないため、

    AD治療薬の転用は非常に有望な研究領域であることを示す。

  • 言語・実行機能というASDの発達に直結する領域で改善が見られた点は臨床的意義が大きい。

  • ASDとADにおける**共通の神経機序(コリン系・NMDA系)**の可能性を支持する結果。


■ 限界と今後の課題

  • 研究間でデザインも評価軸もばらばら(RCTは少ない)
  • サンプルサイズが小規模な研究が多い
  • 副作用や安全性データは限定的
  • 長期効果や日常生活への般化は不明

今後は、大規模RCT・年齢層別解析・バイオマーカー連動研究が必要。


■ 一文要約

アルツハイマー病薬(コリンエステラーゼ阻害薬/NMDA拮抗薬)は、ASD+低IQの子ども・青年において言語・実行機能・注意・認知能力の改善が複数研究で報告されており、ASDの認知支援薬として有望な候補であることを示したスコーピングレビューである。

Future Directions for Studying the Potential of Mammalian Dscam in Autism Spectrum Disorder and Alzheimer’s Disease: Insights from Dose Sensitivity

研究紹介・要約(Molecular Neurobiology, 2026/Dscam遺伝子の用量依存性とASD・ADの新展望)

論文タイトルFuture Directions for Studying the Potential of Mammalian Dscam in Autism Spectrum Disorder and Alzheimer’s Disease: Insights from Dose Sensitivity

著者:Yinyi Xiong

掲載誌Molecular Neurobiology(2026年)

領域:神経発達、神経変性、遺伝子発現量、分子メカニズム


■ どんな研究?

本レビューは、神経系に広く発現する**Dscam(Down syndrome cell adhesion molecule)**の機能と、自閉スペクトラム症(ASD)・ダウン症(DS)・アルツハイマー病(AD)との関連を、「用量依存性(dosage sensitivity)」という観点から総合的に解説したものです。

Drosophila(ショウジョウバエ)のDscamは数千のアイソフォームを生み出す巨大なスプライシング機構を持ちますが、哺乳類Dscamはスプライシング多様性が低い代わりに、**発現量そのものが神経回路形成と疾患に強く影響する「用量感受性遺伝子」**であることが近年明らかになってきています。


■ 主要なポイント

1. Dscamの“用量依存性”が哺乳類における鍵となる

  • ハエでは多様なアイソフォームが神経細胞の個体識別と結線を担う

  • 哺乳類では、

    “量の増減”が神経発達・回路形成に影響し、異常発現が疾患表現型をもたらす

つまり哺乳類Dscamでは、「どのバリアントか」より「どれくらい発現するか」が本質。


2. ASDとDscam:ハプロ不全(片側の機能喪失)が病態に関与

  • Dscamの発現低下(ヘテロ接合性欠失)→ ASD関連表現型
  • 神経回路形成、軸索誘導、樹状突起パターン形成などが影響
  • DscamはASDの「分子サブタイプ」を説明する鍵遺伝子とみられる

3. DS・ADとDscam:過剰発現が関与する可能性

  • DS(21トリソミー)ではDscamコピー数が増え、神経過成長やシナプス異常に関係
  • ADではDscam過剰発現が新たな神経変性メカニズムに関与する可能性
    • アミロイド関連経路
    • シナプス老化
    • ミクログリア活性化との関連も示唆

4.「用量異常」は線形ではなく“非線形の表現型”をもたらす

Dscamが関わる遺伝子ネットワークは多層的で、

少しの過剰・不足が多段階の破綻を生む(nonlinear phenotype)。

これは、ASD・DS・ADの症状異質性を説明する手がかりにもなる。


■ 著者が提案する研究の未来方向(2段階フレームワーク)

① 遺伝ネットワークの重要ノードを大規模データから特定する

  • 多オミクス、空間トランスクリプトミクス
  • 単一細胞解析
  • AIによるネットワークモデリング

→ Dscamがどの経路で病態を引き起こすか“候補を絞り込む”

② 優先すべき経路を実験的に検証する

  • CRISPR、in vivo/in vitroモデル
  • 発現量を微調整したドシス・レスポンスの解析
  • シナプス機能・回路形成の定量モデル化

→ ASDおよびADにおけるDscamの「因果的経路」を確定し、

治療標的としての可能性を開く


■ 意義

  • ASDとADの“共通分子メカニズム”としてDscamを扱う初の体系的レビュー
  • 表現型多様性(ASDのサブタイプ/ADの発症年齢差)を説明する新視点を提示
  • 「スプライシング多様性」ではなく
    • *「発現量異常による非線形効果」**という哺乳類特有の仕組みに光を当てた点が重要

■ 一文要約

Dscamは哺乳類では“発現量のわずかな変化”がASD・DS・ADの病態を方向づける用量感受性遺伝子であり、今後はビッグデータ解析と実験的検証を組み合わせた二段階アプローチにより、ASD・ADの新たな治療標的としての可能性が大きく開かれることを示したレビューである。

The association between serum vitamin D concentration and Attention Deficit/Hyperactivity Disorder: a systematic review and meta-analysis of observational and interventional studies - Middle East Current Psychiatry

研究紹介・要約(Middle East Current Psychiatry, 2025/ビタミンDとADHD:観察研究+RCTの統合分析)

論文タイトルThe association between serum vitamin D concentration and Attention Deficit/Hyperactivity Disorder: a systematic review and meta-analysis of observational and interventional studies

著者:Ismail et al.

掲載誌Middle East Current Psychiatry(2025年)

領域:栄養精神医学、児童発達、ADHD治療補助


■ どんな研究?

このシステマティックレビュー+メタ分析は、

「ビタミンD血中濃度とADHDの関連」

および

「ビタミンD補充による症状改善効果」

を、観察研究とランダム化比較試験(RCT)をまとめて検証した最新の総合研究です。

「ADHDの子どもはビタミンDが低いらしい」「補充で症状が良くなる?」といった議論に対し、これまでの断片的エビデンスを統合し、大規模データで答えを提示しています。


■ 方法:対象・分析の特徴

  • 対象データ:37研究(観察研究30、RCT 7)
  • 総参加者数:24,336名
  • 対象年齢:6〜18歳の児童、母親(40歳未満)の妊娠中ビタミンDレベルも含む
  • PRISMAガイドライン準拠

観察研究では「ADHDの子どもはビタミンDが低いのか」を検証し、

RCTでは「補充するとADHD症状は改善するのか」を扱った。


■ 主な結果

1. ADHDの子どもは血中ビタミンDが有意に低い

  • ADHD群はコントロールより

    平均 −6.55 ng/mL(95%CI: −8.06〜−5.03)

    と明確に低かった。

2. ビタミンD欠乏はADHDリスクを約2倍に増加

  • 欠乏に伴うADHD発症オッズ比:OR 1.97(1.42〜2.75)

3. 母体の妊娠中ビタミンD不足もADHDリスク上昇と関連

  • OR 1.50(1.17〜1.91)

胎児期からの影響の可能性を示す。

4. ビタミンD補充の効果(RCT)

改善した症状

  • ADHD総スコア
  • 不注意(inattention)
  • Conners保護者評価スコア

改善しなかった症状

  • 多動性(hyperactivity)

つまり、「不注意」に関しては改善の可能性が示唆されるが、万能ではないという結果。


■ 研究の意義

  • 栄養精神医学領域で議論が続く「ビタミンDとADHD」の関係に明確な統合的エビデンスを提供
  • ADHDの一部症状(特に不注意)に対する補助的介入として、ビタミンDが“有望ではあるが決定的ではない”ことを示す
  • 妊娠期の栄養状態が神経発達に影響しうる可能性を改めて強調
  • 因果関係は不明であり、臨床推奨につなげるにはさらなる質の高いRCTが必要

■ 実務・臨床的な示唆

  • 発達・行動上の困りごとを抱える子どもでは、ビタミンDの評価は一考に値する
  • ADHD支援の“補完的アプローチ”としての可能性
  • 特に妊娠期の栄養管理の重要性も指摘
  • ただし、ビタミンDは**「治療薬の代替」にはならず補助的位置づけ**

■ 一文要約

ADHDの子どもは血中ビタミンDが有意に低く、欠乏はADHDリスクを約2倍に高める可能性が示された。また補充により不注意など一部の症状が改善する傾向があるが、因果関係や最適な介入法を確立するにはさらなる高品質研究が必要である。

Early Interventionist-Guided and Parent-Implemented Behavior Support To Reduce Challenging Behaviors of Autistic Children


研究紹介・要約(Journal of Autism and Developmental Disorders, 2025/EISPコーチング × 親実施型行動支援)

論文タイトルEarly Interventionist-Guided and Parent-Implemented Behavior Support To Reduce Challenging Behaviors of Autistic Children

著者:Yusuf Akemoğlu & Vanessa Hinton

掲載誌Journal of Autism and Developmental Disorders(2025)


■ どんな研究?

この研究は、攻撃・パニック・指示不従うなどのチャレンジング行動(CB)を示す幼児自閉症児に対し、早期介入専門家(EISP)によるコーチングと、親が実施する機能ベース行動支援(PBS)を組み合わせた“ハイブリッド介入”の効果を検証したパイロット試験です。

オンライン学習(ビデオ教材)だけでは家庭での実践が進みにくいという課題に対し、

  • *「動画学習+専門家の個別コーチング」**という二段構えで、親の実施スキルをどう高められるかを調べました。

■ 方法:介入デザインと評価

  • 参加者:3家庭(自閉症幼児+保護者)

  • 提供者:3名のEarly Intervention Service Providers(EISP)

  • 介入内容

    1. ビデオモジュール(行動支援の基礎)
    2. EISPの個別コーチング(家庭訪問)
      • 行動機能に基づく支援計画の作成
      • 親への実践フィードバック
  • デザイン:Nonconcurrent Multiple-Probe Across Dyads

    → 各家庭を時期をずらして介入し、変化が介入の影響である可能性を高めるシングルケースデザイン。


■ 主な結果

1. ビデオ教材だけでは、親の実施レベルはほとんど改善しなかった

  • 行動分析の基本知識は得られるが、

    実際の家庭場面でスキルとして定着しないことが判明。

2. EISPの個別コーチング導入後、親の実施 fidelity(忠実度)が即時かつ持続的に改善

  • 手続きの正確さ・一貫性が明確に向上
  • 育児ストレスの軽減・理解の促進につながった

3. 親の fidelity 向上と同時に、子どものチャレンジング行動が大幅に減少

  • 全参加児童でCBの有意な改善
  • 行動支援が正しく実施されることで即時性のある行動変化が得られた

4. 親の満足度(ソーシャルバリディティ)は高い

  • 「家庭で実際に使える」
  • 「自信がついた」
  • 「支援者との関係性が役立った」

といったポジティブな評価が寄せられた。


■ 意義:なぜ重要か?

  • 多くの家庭は「動画だけで学ぶ支援プログラム」に参加するが、

    実践スキルは“コーチング”がなければ身につかないことを実証。

  • 臨床資源が不足する地域でも、

    リモート教材+訪問/オンラインコーチングのハイブリッド方式ならスケール可能。

  • 親実施型PBS(Positive Behavior Support)のエビデンスを補強し、

    早期介入の質向上に寄与する研究。


■ 限界

  • サンプルが3家庭と小規模
  • 一部の効果の持続期間は未検証
  • コーチングの具体的な頻度・質による違いは評価されていない

■ 一文要約

動画教材だけでは行動支援スキルは定着せず、EISPによる個別コーチングを組み合わせることで親の実施精度が大幅に上がり、幼児自閉症児のチャレンジング行動が明確に改善した──家庭支援の“ハイブリッド介入モデル”が実践的・スケーラブルであることを示したパイロット研究。

Epilepsy in Autism: Prevalence and Associated Factors in a Large Inpatient Psychiatric Sample

研究紹介・要約(Journal of Autism and Developmental Disorders, 2025/入院精神科サンプルにおけるASD×てんかんの関連)

論文タイトルEpilepsy in Autism: Prevalence and Associated Factors in a Large Inpatient Psychiatric Sample

著者:Kate Kielty ほか

掲載誌Journal of Autism and Developmental Disorders(2025)


■ どんな研究?

この研究は、精神科入院中の自閉スペクトラム症(ASD)の子ども・若者における「てんかんの有病率」と関連要因を明らかにしたものです。

一般研究ではASDにおけるてんかんの併存率は 2.4〜46% と非常に幅がありますが、精神科入院という重症度の高い集団はこれまで十分に検討されていませんでした。

本研究は、ADOS-2でASDが確認された 1354名(4〜21歳) の大規模入院サンプルを分析し、てんかんの併存率と、てんかんあり・なしの特徴差を比較した点が特徴です。


■ 主な結果

1. 入院中ASDサンプルでの「てんかん」併存率は18.9%

  • 一般の外来研究と比べて高め
  • 対象者の72%が
    • 知的障害

    • 最小限の言語

    • 低い適応行動

      を示す重度プロファイルであることを考えると妥当な数字

2. てんかんを持つASD児・若者の特徴

てんかん「あり」群では以下が有意に高かった:

  • 年齢が高い
  • 非言語IQが低い
  • 遺伝学的検査を受けた割合が高い
  • 遺伝検査の異常(有意所見)が多い
  • 一親等にけいれんの家族歴がある
  • 頭痛が多い
  • 消化器症状(GI症状)が多い
  • 服薬数(薬剤負担)が多い

3. 一般研究で指摘されていた“ASD + てんかん”の特徴が入院サンプルでも再現

  • 低IQ

  • 年齢の上昇

  • 家族歴

    といった既知の要因が、入院患者でも確認された。

4. 新たな示唆:遺伝学的要因と薬剤負担の高さ

  • 遺伝検査の実施率・異常率が高いことから、

    ASD+てんかん群は遺伝要因の関与が比較的高い可能性。

  • 薬剤数の増加は、行動・不安・睡眠・てんかんの複合的ケアが必要な複雑ケースであることを反映。


■ 臨床・支援への意味

  • 精神科入院レベルのASD児では、

    てんかんの併存は約5人に1人という高頻度であるため、入院時のモニタリングとスクリーニングが重要。

  • 低IQや家族歴があるケースでは、てんかん合併を特に注意して評価する必要がある。

  • 遺伝学的検査の実施価値が高く、

    てんかんの有無が遺伝的背景の手がかりになる可能性。

  • 薬剤負担の増大は、医療・家族双方の負担増につながるため、

    多剤併用の必要性の見直しや包括的ケアの重要性が示唆される。


■ 一文要約

精神科入院中のASD児・若者1354名を分析した結果、てんかんの併存率は18.9%と高く、年齢の高さ・低IQ・家族歴・遺伝学的異常・GI症状・薬剤負担などとの関連が確認され、重度ASDにおけるてんかん併存の特徴とケア上の注意点を明確にした研究です。

Patterns and Predictors of Toothbrushing Frequency in Irish Adolescents: The Role of Autism and Intellectual Disability


研究紹介・要約(Community Dentistry and Oral Epidemiology, 2025/アイルランドの自閉症・知的障害のある青年の歯磨き習慣)

論文タイトルPatterns and Predictors of Toothbrushing Frequency in Irish Adolescents: The Role of Autism and Intellectual Disability

著者:Jennifer A. Parry ほか

掲載誌Community Dentistry and Oral Epidemiology(2025)


■ どんな研究?

この研究は、アイルランドの全国出生コホート「Growing Up in Ireland」データを用いて、9〜17/18歳の歯磨き習慣の変化を可視化し、特に自閉症(ASD)や知的障害(ID)を持つ青年が「1日2回の歯磨き」を行う要因を明らかにすることを目的としたものです。

特に、ASDやIDのある青年は口腔ケア支援が難しいケースが多く、日常習慣のパターンを数量的に示した研究は限られていました。本研究はそのギャップを埋める貴重なデータを提供します。


■ 主な結果

1. 一般の青年における「1日2回歯磨き」のポジティブ予測因子

  • 女性であること
  • 毎日朝食を食べる
  • 矯正治療の経験がある

これらは、規則的な生活習慣や医療との接点が多いほど歯磨きが安定することを示す。

2. ネガティブ予測因子(歯磨きが少なくなりやすい要因)

  • 口腔健康の自己評価が“優れていない”
  • 歯科受診が少ない
  • 肥満
  • 砂糖入りソフトドリンクを毎日飲む(ダイエット飲料は影響なし)

生活習慣・健康行動の悪循環が歯磨き頻度の低さに結びついていることがわかる。

3. ASD・IDのある青年に特有の傾向

ASD/IDのサブグループでは、

  • 口腔健康の自己評価が最も低い場合
  • 砂糖入り飲料を毎日飲む場合
  • ASDとIDの併存(ASD+ID)

1日2回の歯磨き習慣を妨げる可能性が示唆された。

これは、感覚特性・生活習慣・自己管理の難しさが複合して影響している可能性を示す。


■ 結論・示唆

  • 歯科チームとの定期的な接触や、

    朝食・矯正治療などの規則的習慣が歯磨き頻度を高める。

  • ASD/ID青年では、生活習慣と口腔健康の自覚の弱さが特に影響。

  • 高支援ニーズのある青年に合わせた、個別的で実行可能な口腔ケア支援モデルの開発が必要と指摘。


■ 一文要約

アイルランドの大規模コホート分析により、一般青年では生活習慣と医療接点が歯磨き習慣を支え、ASD・IDのある青年では低い口腔健康意識や砂糖飲料の摂取、ASD+ID併存が歯磨き不足の要因となることが示され、高支援ニーズのある青年向けの口腔ケア支援の必要性が明確になった研究です。

The emergence of object play in young children at elevated likelihood for autism

研究紹介・要約(British Journal of Developmental Psychology, 2025/自閉症高リスク乳幼児の物の遊びの発達)

論文タイトルThe emergence of object play in young children at elevated likelihood for autism

著者:Floor Moerman ほか(TIARA‐team)

掲載誌British Journal of Developmental Psychology(2025)


■ どんな研究?

この前向き研究は、**自閉症の発症リスクが高い乳幼児(EL:高リスク群)**が、生後10か月・14か月時点でどのような「物の遊び(object play)」を示すのかを詳細に観察し、後に自閉症と診断される子ども(EL-Autistic)と診断されない子ども(EL-Non-autistic)の違いを調べたものです。

対象は、

  • 自閉症の兄姉を持つ弟妹
  • 極低出生体重/超早産児

といった発達リスクの高い子ども83名

本研究の目的は、“孤立した物の遊び(solitary object play)”が自閉症の早期マーカーとして有用かを検証することです。


■ 方法

  • 観察時期:10か月/14か月(修正月齢)
  • 評価項目:
    • モノの探索(object exploration)
    • 組み合わせ遊び(combination play)
    • (前)象徴遊び[(pre-)symbolic play]
  • 36か月時点の研究診断を基準に、**自閉症診断あり(n=22)・なし(n=61)**に分類。

■ 主な結果

1. 両群とも「組み合わせ遊び → (前)象徴遊び」へ発達する流れは同じ

発達段階(遊びの順序)は自閉症の有無に関わらず共通していた。

2. 10か月時点の違いは極めて小さいが、1点だけ有意差があった

  • 組み合わせ遊びの頻度が非自閉EL児の方が高い
    • 非自閉EL児:25%が「一般的な組み合わせ遊び」を示す
    • 自閉EL児:0%

→ しかし、全体として差は小さく、「早期鑑別基準」としては弱い。

3. 14か月時点でも差はわずか

  • 非自閉EL児の方がわずかに多く**(前)象徴遊び**を行った
  • しかし、群としての行動は類似性の方が大きい

4. 単独遊びの観察だけでは、自閉症の予測力は非常に弱い

本研究は次の結論を明確に示す:

10〜14か月の「一人遊びにおける物の遊び」だけでは、自閉症の早期識別指標としては不十分。


■ 意義・示唆

  • 物の遊びそのものは、早期の自閉症サインとしては限定的な情報しか与えない
  • 特に10〜14か月というごく早期では、自閉症群と非自閉群は非常によく似ている
  • 早期スクリーニングでは、
    • 社会的応答性

    • 注意の共有

    • 情動調整

    • 感覚反応

      など社会的・感覚的行動の方が有力である可能性が再確認された。


■ 一文要約

高リスク乳幼児83名の観察から、10〜14か月時点の「一人での物の遊び」は自閉症児・非自閉児の違いが僅少で、早期識別の指標としては弱いことが示され、物の遊び単独での自閉症スクリーニングは支持されなかった。

Frontiers | The role of interleukin-37 and interleukin-38 in the development and remission of autism spectrum disorder: A comprehensive review of neuroinflammatory mechanisms and potential therapeutic implications

研究紹介・要約(Frontiers in…/IL-37・IL-38と自閉症の神経炎症をめぐる包括レビュー)

論文タイトルThe role of interleukin-37 and interleukin-38 in the development and remission of autism spectrum disorder

著者:Zakeya Al Rasbi ほか(UAE University)

掲載誌:Frontiers(2025・最終版準備中)

領域:神経免疫・サイトカイン・自閉症の病態メカニズム


■ どんな研究?

このレビューは、**自閉スペクトラム症(ASD)における神経炎症(neuroinflammation)**に着目し、近年注目されている 抗炎症性サイトカイン IL-37 と IL-38 の役割 をまとめた初期の包括的レビューです。

ASDの病態は従来の「神経発達」モデルに加えて、

  • 免疫の異常

  • 慢性的な微小炎症(microglial activation)

    が関与するという見方が急速に拡大しており、IL-1ファミリーの中でも IL-37 / IL-38 が神経炎症調整の重要因子 として浮上しています。


■ IL-38 の役割(抗炎症・神経保護)

近年の臨床・基礎研究から、IL-38 は以下の作用が示唆されています:

  • マイクログリアの過剰活性化を抑制
  • 炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)の放出を減少
  • IL-38/IL-36R 経路を通じた脳内炎症制御
  • 自閉症関連領域(前頭前皮質・海馬など)における炎症バランスの調整

「炎症を鎮める」方向に働くため、ASD の症状軽減の治療標的になりうると考えられている。


■ IL-37 の役割(炎症抑制・腸脳軸との関連)

IL-37 については以下が報告されています:

  • ASD関連の脳組織で 一貫した増加(upregulation) が報告
  • IL-37/IL-18Rα/IL-1R8 経路で作用し
    • 炎症性サイトカインの産生抑制
    • マイクログリアの極性変化(炎症型→抗炎症型)
    • 腸内環境〜脳への炎症シグナル(gut–brain axis)調整

ASDの神経炎症に対する「内因性の抑制反応」を示している可能性がある。


■ 両者の共通点と臨床的示唆

  • IL-37 と IL-38 はどちらも 抗炎症性サイトカイン
  • ASDの病態に存在する 慢性炎症(microglial hyperactivation) を鎮める方向に働く
  • 将来的には
    • バイオマーカー(診断・重症度指標)

    • 新規治療標的(抗炎症療法・免疫調整療法)

      となり得る可能性がある

しかし、まだ研究は初期段階であり、臨床応用には充分なエビデンスがないことが強調されている。


■ このレビューの価値

  • ASD と免疫・炎症の関係を IL-37/IL-38 に絞って体系的に整理した初期のレビュー
  • 神経炎症モデルの理解を深化させ、ASD 病態研究の新しい方向性を示した
  • 将来の治療開発(抗炎症薬・免疫修飾)への足場をつくる

■ 一文要約

IL-37 と IL-38 はいずれも脳内炎症を抑える働きを持ち、ASD の神経炎症メカニズムの調整因子として注目される。これらは将来のバイオマーカー・治療標的として有望だが、研究はまだ発展途上であり、さらなる検証が必要である。

Frontiers | Clinical characteristics of natural recovery in trichotillomania and skin picking disorder


研究紹介・要約(Frontiers/抜毛症・皮膚むしり症の“自然回復”の特徴を探るパイロット研究)

論文タイトルClinical characteristics of natural recovery in trichotillomania and skin picking disorder

著者:Megha Neelapu・Jon E. Grant(University of Chicago)

掲載誌:Frontiers(2025、最終版準備中)

領域:強迫関連症・ボディフォーカスト反復行動(BFRB)・回復メカニズム


■ どんな研究?

抜毛症(trichotillomania)では 約25%の人が治療を受けず自然に寛解することが知られていますが、

  • どんな人が自然回復するのか
  • 重症度に違いがあるのか
  • 他の精神疾患(併存症)がどう影響するのか

といった点はほとんど研究されていません。

本研究は、**自然回復者(過去12ヶ月間 DSM-5 基準を満たさない人)**と、現在も症状が持続している人を比較し、自然回復に関わる臨床的特徴を明らかにすることを目的とした探索的研究です。


■ 方法

  • 自然回復群 21名
    • 抜毛症のみ:76.2%
    • 皮膚むしり症のみ:14.3%
    • 両方:9.5%
    • 基準を満たさなくなってからの平均年数:約6年
  • 現在症状のある群 41名(性別・年齢・診断でマッチング)

両群を比較し、重症度、併存症、生活への影響、治療歴などを分析。


■ 主な結果

● 1. 重症度は“自然回復の有無”と無関係

症状が最もひどかった時期について:

  • 週の頻度
  • 1日の時間
  • 生活への機能的影響

どれも両群で有意差なし

つまり、「重症だったから治りにくい/軽症だから自然に治る」というわけではなかった。


● 2. “併存症の少なさ”が自然回復の大きな特徴

自然回復群は、現在の併存精神疾患が有意に少なかった。

特に現在の:

  • うつ病
  • ADHD

の頻度が低いことが統計的に示された。

精神疾患の併存があると、自然回復しにくい可能性がある。


● 3. 一方、自然回復群には「生涯の物質使用障害」が多いという予想外の結果

  • 生涯の物質使用障害(SUD)経験
  • 現在のアルコール使用障害

はむしろ 自然回復群のほうが多かった

(因果関係は不明で、今後の研究が必要。)


● 4. 自然回復しても“完全に症状ゼロ”とは限らない

自然回復群の 77.8% が:

  • たまに抜いたりむしったりする
  • 代わりの行動を始めている

と回答。

自然回復は「完全な消失」ではなく、サブクリニカルな症状が持続しやすい。


■ 研究の意義

  • 「自然回復=軽症者が勝手に治る」ではないことを示した重要な知見
  • 併存症の少なさが自然回復に関連し、治療介入では併存症への対応が鍵になり得る
  • 物質使用障害が自然回復群で多いという興味深い所見は、行動調整や代替行動のメカニズム理解につながる可能性

■ 限界

  • サンプルが少なく統計的パワーが限定的
  • 自己報告による回想バイアスの可能性
  • 因果関係は不明

■ 一文要約

抜毛症・皮膚むしり症の自然回復は重症度とは関係がなく、併存症が少ない人に多いが、症状はサブクリニカルに続くことが多く、自然回復の質や臨床的価値には注意が必要である。

Artificial Intelligence in Autism Spectrum Disorder Diagnosis: A Scoping Review of Face, Voice, and Text Analysis Methods

研究紹介・要約(Health Science Reports, 2025/顔・声・テキストを用いたAIによるASD診断の包括的レビュー)

論文タイトルArtificial Intelligence in Autism Spectrum Disorder Diagnosis: A Scoping Review of Face, Voice, and Text Analysis Methods

著者:Fatemeh Mohammadi ほか

掲載誌Health Science Reports(2025年)

領域:AI診断支援・マルチモーダル解析・自閉スペクトラム症(ASD)


■ どんな研究?

本研究は、近年急速に発展している AI(人工知能)による自閉スペクトラム症(ASD)診断支援技術 のうち、特に

  • 顔画像解析
  • 音声解析
  • テキスト(言語)解析

の3領域の研究を体系的にレビューした スコーピングレビュー です。

ASDの診断は従来、ADOS-2 や ADI-R などの対面観察・インタビューに依存しており、

時間がかかり、実施者によって判断差が生じる という課題がありました。

本レビューは、AIがこれらの主観性を補い、より効率的で客観的な診断補助としてどこまで可能性を示しているのかをまとめています。


■ 方法

  • PubMed、Web of Science、Scopus、Google Scholar を検索
  • PRISMA基準に沿って抽出
  • 研究を「顔」「声」「テキスト」の三領域に分類し、ナラティブに整理

■ 主な結果

1. 顔画像解析:深層学習が圧倒的に高精度

特に CNN(畳み込みニューラルネットワーク)系モデルが高い正確度を達成。

  • Xception:98%
  • RF+VGG16+MobileNet のハイブリッド:99%

顔の微細な特徴(眼間距離、鼻・口の位置関係、対称性など)のパターンに基づき、ASDの分類が高精度で可能であることを示した。


2. 音声解析:70〜98%の精度、プロソディ(声の抑揚)や音響特徴が鍵

AIモデルを用いて:

  • イントネーション
  • 話速
  • 音圧
  • メロディの平坦化
  • 声質の特徴

などを分析し、ASDに特徴的な音声パターンを検出。

手法は機械学習〜ディープラーニングまで幅広く、

  • SVM、Random Forest の従来手法
  • CNN・LSTM を含む深層学習

が使われ、精度は 70〜98% と研究によって幅があった。


3. テキスト解析:NLPで言語特徴を検出、BERTなどを活用

自然言語処理(NLP)を用いて、

  • 語彙の特殊性
  • 文法構造
  • 過剰な詳細性
  • 一貫性のパターン
  • トピックの偏り

など、ASDに関連するとされる言語の特徴を機械学習モデルで分類。

まだ発展途上だが、文章データからASD傾向を検知できる可能性を示した。


■ 研究の総括

  • 顔解析:深層学習ベースが最も精度が高い
  • 音声解析:多様なAI手法で高精度の可能性
  • テキスト解析:AIがASDの言語特徴を捉えつつある

総じて、AIはASD診断の補助ツールとして大きな可能性を持ち、

「観察者の主観性」「時間的コスト」など従来診断の課題を補完する技術となり得る。

ただし AI はあくまで 補助的であり、臨床的には

  • 既存の行動観察

  • 発達歴の情報

  • 面接

    と組み合わせて使うことが前提。


■ 一文まとめ

顔・声・テキストのAI解析は、ASDに特徴的なパターンを高精度に検出でき、特に顔画像の深層学習モデルは99%近い精度を示すなど、従来の診断を補完し早期発見に貢献し得る有力な技術領域であることが確認された。

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