ASD児の小学校における休み時間への参加に関する研究のほとんどで本人の主観的経験や環境要因がほとんど記録されていないという課題
本記事では、自閉スペクトラム症(ASD)に関連する二つの最新研究を紹介しています。一つ目は、ASD児の小学校における休み時間(recess)への参加に関するスコーピングレビューで、104件の先行研究を分析し、本人の主観的経験や環境要因がほとんど記録されていないという課題を指摘し、今後は子ども自身の声を反映した評価ツールの開発が必要であると提言しています。二つ目は、マウスモデルを用いた実験研究で、前頭前皮質におけるカルレチニン欠乏が神経の過剰興奮性を引き起こし、ASD様の行動異常(社会性の低下、常同行動、不安、記憶障害など)につながることを示し、ASDの神経生物学的理解と治療標的の可能性を示唆しています。