本ブログ記事ではASDを持つ人々への言語的表現についての議論を紹介します。
Person-first and identity-first approaches to Autism: metaphysical and linguistic implications
この論文では、自閉症の人々をどう表現すべきかについての議論を扱っています。主に「人優先アプローチ」と「アイデンティティ優先アプローチ」の2つが取り上げられ、前者は「自閉症のある人」、後者は「自閉症者」と表現します。論文では、これらのアプローチが自閉症をどのように捉えるか、自己やアイデンティティのメタフィジカルな概念との関係、そして言語的な解放可能性(「自閉症」という言葉の再評価や再主張)にどのような影響を与えるかが検討されています。最終的に、アイデンティティ優先アプローチは「自閉症者」という表現の再評価とより一致している一方で、人優先アプローチも一部の再評価プロジェクトと両立し得ると結論づけています。