このブログ記事では、意思決定の計算モデリング、ADHDの検出における脳波(EEG)信号の分析、社会参加や性教育に関する質的研究、そして医療提供者が知的発達障害(IDD)を持つ成人を診療する際の快適さを高めるための研究、ディスレクシアの新しい定義に関する議論や、偏食が原因でビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血を発症した自閉症の子どもの症例報告について紹介します。
ビジネス関連アップデート
非営利スタートアップ支援のSoil、新たに17名の社会課題解決を目指す起業家を支援開始。総額1700万円の資金助成と3ヶ月のメンタリングプログラムを提供(2024年3月25日)|BIGLOBEニュース
一般財団法人Soilは、非営利スタートアップを支援するインキュベーター・アクセラレーターとして、新たに17名の社会課題解決を目指す起業家に対する支援を開始しました。総額1700万円の資金助成と3ヶ月間のメンタリングプログラムを提供し、東京大学と関西圏の大学生・大学院生など若手起業家・研究者を支援する「Soil100」プログラムを通じて、彼らの事業推進をサポートしています。Soilは「儲からないけど意義がある」非営利スタートアップの育成を目指し、今回の採択は、様々な観点から選考された17名のプロジェクトに対して行われました。
行政関連アップデート
埼玉県、「一人一人の社会的自立に向けた児童生徒支援ガイドブック」作成
埼玉県は、不登校児童生徒の増加に対応するために、「一人一人の社会的自立に向けた児童生徒支援ガイドブック ~総合的な長期欠席・不登校対策~」を作成しました。このガイドブックは、不登校の未然防止と不登校児童生徒の支援を目的としており、埼玉県内の公立の小中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校に配布されます。令和4年度の調査では、県内の公立学校における不登校児童生徒数が過去最多の1万6914人に達しています。
学術研究関連アップデート
Neurodiversity-Affirming Applied Behavior Analysis
自閉症や神経多様性(Neurodivergent)コミュニティの人々は、応用行動分析(ABA)について多くの懸念を共有しています。これらの批判は、現行の実践が多くの障害を持つ個人の尊厳と自主性を妨げる可能性のある能力主義を反映している点に関連しています。この分野内外では、サービス提供のアプローチを再考し、反映し、聞き入れる必要があることが認識されつつあります。これは、自閉症や神経多様性コミュニティを超えてサービス受け手に利益をもたらす可能性があります。ABAは、社会的妥当性データが不利であり、前途が不確かであっても、消費者に応答することにコミットしています。この記事では、障害権利、自閉症及び神経多様性アドボカシー運動、および多様性の形態としての障害に関する歴史的及び現在の視点について概説し、行動分析実践者に向けた神経多様性を肯定する行動を伴う行動喚起を提示します。これらの行動喚起は、自閉症や神経多様性コミュニティ及び他の関心を持つ者からのフィードバックに基づいており、(1)クライアントのアイデンティティと言語、(2)尊厳、自己決定、選択、および同意、(3)社会的妥当性に関連して行動することができます。
The Connection Between Sleep Problems and Emotional and Behavioural Difficulties in Autistic Children: A Network Analysis
自閉症児における睡眠問題と感情・行動上の困難の関連について、240人の自閉症児童(平均年齢8.8歳、範囲5〜13歳)を対象にネットワーク分析を用いて調査されました。この研究では、睡眠問題、自閉症の症状、感情・行動上の困難の間の相互作用が明らかにされ、非常に関連性が高く解釈可能なネットワークが構築されました。モデル変数の3つの別々のクラスターが識別され、うつ病、不安、行動上の困難がネットワークの最も中心的な変数でした。また、うつ病、不安、限定的・反復的な行動(RRBs)が、他の症状クラスター内およびクラスター間で活動を伝達する最も強力な橋渡し変数として浮上しました。この結果は、うつ病と不安がネットワーク内で高い関連性を持っていることを示しており、これらの領域への支援が役立つ可能性があること、および今後の研究が必要であることを示唆しています。