知的・発達障害を持つ若者の移行支援の重要性
このブログ記事では、最近のビジネス、行政、学術研究の動向を紹介しています。ビジネスでは、Byju’sの支払い問題とLITALICOの決算報告について、行政では富士見市職員による障害者福祉サービス申 請の処理怠慢と、政府が策定する障害者差別根絶計画について紹介します。学術研究に関しては、発達障害に関する多感覚環境の利用や睡眠障害のパターン、ADHDの子供たちにおける言語の役割、DYRK1A遺伝子の新しい変異、知的・発達障害を持つ若者の移行支援の重要性などを紹介します。
ビジネス関連アップデート
Byju’s founder close to settling dues with BCCI, lawyer tells NCLAT
Byju’sの創業者であるByju Raveendran氏が、インドクリケット管理委員会(BCCI)に対する支払い遅延を解決するための交渉を進めていると、同氏の弁護士が全国会社法上訴審判所(NCLAT)に報告しました。BCCIは、158クローレ(約22億円)の未払い金を請求しており、この金額は今後10日間で3回に分けて支払われる予定です。最初の支払いは当日中(火曜日)の午後4時までに、次の支払いは金曜日までに、残りは8月9日までに行われる予定です。
この支払いに関する交渉は、BCCIがByju’sの親会社Think & Learnに対して提出した破産申立てに関連しています。NCLATはこの件についての審議を翌日に延期することに同意しました。また、Karnataka高等裁判所は、破産手続きの停止を求めるRaveendran氏の申し立てを処理しましたが、NCLATでの上訴が行われているため、申し立ては再び提出 できるとしています。
一方、NCLTによって任命された暫定解決専門家は、Byju’sの旧経営陣が協力しておらず、必要なデータを提供していないと述べました。NCLTの命令は、Byju’sの資産を債権者から保護し、資産の売却や移転を防ぐものです。問題は、Byju’sがBCCIと2019年3月に結んだジャージスポンサーシップ契約に関連しており、支払いは2022年9月まで行われましたが、2022年10月から2023年3月までの期間が争点となっています。
りたりこが後場下げ幅を拡大、第1四半期営業利益は44%減 | 個別株 - 株探ニュース
りたりこ(LITALICO)の株価は、第1四半期の連結決算で売上高が前年同期比で増加したものの、営業利益が44.4%減少し、純利益も89.3%減少したことが嫌気されて下落しました。障害福祉サービス報酬の改定が就労支援事業にはプラスの効果をもたらしたものの、児童福祉事業にはマイナスの影響がありました。また、米国での子会社化に伴うM&A費用も影響しました。2025年3月期の通期業績予想は据え置かれています。
行政関連アップデート
失念していた…療育手帳など交付されず 富士見市職員、申請書類の処理怠る 計48件、金銭的被害の可能性も|埼玉新聞|埼玉の最新ニュース・スポーツ・地域の話題
埼玉県富士見市は14日、障がい福祉課に所属する40代の男性職員が、2022年2月から11月までの間に、市民から受理した療育手帳の交付申請書や高額障害福祉サービス等給付費支給申請書の事務処理を怠っていたと発表しました。
政府、障害者差別の根絶へ行動計画を策定 岸田首相「社会全体が変わらなければ」 | 介護ニュースJoint
政府は29日、障害者への偏見や差別をなくし共生社会を実現するための「対策推進本部」を設立し、初会合を開催しました。岸田首相は、障害者に対する社会的障壁の撤廃を社会全体の責務とし、偏見や差別、優生思想の根絶に向けた行 動計画を策定する方針を示しました。この本部は、旧優生保護法を違憲とした最高裁判決を受けて新設され、全ての閣僚が参加しています。行動計画策定にあたり、政府は有識者や当事者からの意見を取り入れ、障害者の希望する生活の実現に向けた支援を行うとしています。
かかりつけ医機能で介護連携も報告事項に 厚労省が具体案作成(福祉新聞) - Yahoo!ニュース
厚生労働省は、2025年度に始まる「かかりつけ医機能」に関する報告制度の具体案を発表しました。この制度では、医療機関が介護サービス事業者と連携して医療を提供しているかどうかを報告し、介護保険施設での医療提供の協力医療機関名を記入することが求められます。また、地域ケア会議への参加やケアマネジャーとの情報共有も報告事項に含まれます。対象患者には障害児・者、医療的ケア児、難病患者も含まれます。この制度は、昨年11月から有識者会議で検討され、制度開始に向けてガイドライン作成が進められます。患者が適切な医療機関を選べるよう、医療機関の機能や診療可能な疾患情報をウェブサイトで公開することも計画されています。また、障害者が情報にアクセスしやすいように配慮され、地域協議会に障害者団 体が参加することも促されます。
学術研究関連アップデート
The Use of Multisensory Environments with Individuals with Developmental Disabilities: A Systematic Review
この論文は、発達障害を持つ個人に対する多感覚環境(MSE)の利用に関する文献を体系的にレビューしたものです。MSEはもともと、重度の障害を持つ人々に対する余暇の提供を目的としていましたが、現在ではその使用が拡大しています。研究の質が低く、結論を導くのが難しいが、MSEは挑戦的な行動の減少や望ましい行動の促進に利用されています。しかし、報告された結果はまちまちで、質の高い研究では効果が見られないとする報告が多いです。現時点での証拠に基づくと、MSEは発達障害を持つ個人への介入手段としては推奨されず、余暇の選択肢として限定的な役割を果たす可能性があります。