問題行動を減らし適切なコミュニケーションを増やす方法【FCT実践編】
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前回のFCT準備編では、FCTの概要および、FCTの計画段階ですべきことに関してご紹介しました。
はじめに
前回のFCT準備編では、FCTの概要および、FCTの計画段階ですべきことに関してご紹介しました。
FCTとは問題行動の機能を維持したまま代替行動に変換する方法だということは前回の記事でご紹介した通りです。
本記事では計画を実際に実施していく上で、どのように代替行動を発生させていくかや、問題行動ではなく代替行動を定着させていくかなどの点に関して、ご紹介していきます。
Step1プロンプトの使用
計画段階で決めた代替行動を使用するように教えていく際にまず必要なのはプロンプトです。
プロンプトとは簡単にいうと行動の補助のようなものです。例えば代替行動として「他人の使用しているおもちゃで遊びたい時に、貸してと言う」ことを学習させたいときに、最初から自分一人で「貸して」と言うことが難しいケースがあります。この場合に、「なんて言うの?」や実際に貸してと言っておもちゃを借りる様子を見せるなどして、児童本人がどのような行動をすればいいのか理解し行動しやすくするための補助がプロンプトです。
FCTで代替行動を教えていくときには、一番程度の強いプロンプトから使用し始めて、だんだんとプロンプトのレベルを下げる**最大最小プロンプト(Most-to-least prompting hierarchy)**という考え方で使用するプロンプトを決めていきます。