第28回日本自閉症協会全国大会 ALLかながわ大会参加レポ Vol.1
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第28回日本自閉症協会全国大会 ALLかながわ大会
2025年2月8日・9日鎌倉芸術館にて開催されましたALLかながわ大会に参加しました。
本記事では日本自閉症協会および英国National Autistic Societyについて、また本イベントの概要について簡単にご紹介します。
日本自閉症協会とは?
日本自閉症協会は、自閉スペクトラム症(ASD)に関する支援活動を行っている団体で、1968年に設立された自閉症児者親の会全国協議会を母体に持ちます。協会は全国の47都道府県と3つの政令指定都市(川崎、横浜、神戸)にある50団体から成り、地域に密着した活動を展開しています。
主な活動内容:
- 自閉スペクトラム症の支援: 医療、福祉、教育、就労、司法の分野での連携を強化し、支援体制を整備しています。
- 啓発活動: 自閉症に対する理解を深め、社会的認識を高めるための啓発活動を積極的に行っています。
- 行政への働きかけ: 厚生労働省や文部科学省、内閣府などに要望書を提出し、政策への影響を与えています。
歴史と設立経緯:
- 1950年代には、自閉症の子どもに対する偏見が強く、親たちは悩みながら支援を求めていましたが、1967年に全国組織の設立に向けた動きが始まり、1968年には初の全国大会が開催されました。
- 1989年には、法人として認可され、より広範な支援が可能となり、2014年には一般社団法人へ移行しました。
ミッション:
協会の使命は、自閉症の人々とその家族が安心して生活できる社会を作ることです。そのために、各地の自閉症協会と連携し、地域ごとのニーズに応じた支援を行い、社会全体で自閉症の人々が住みやすい環境を作るための活動を行っています。
事業活動等:
活動にかかる費用は、会費収入、事業収益、受取寄付金などから賄われており、2023年度の収支は以下の通りです。約8千万円の収入に対して、7千万の支出があり、収入の大半は会費と事業収益の半々で賄われています。(*一部抜粋)
項目 | 2023年度(円) | 前年度(円) | 増減(円) |
---|---|---|---|
経常収益 | ¥79,492,619 | ¥81,538,737 | -¥2,046,118 |
会費収入 | ¥33,458,000 | ¥33,949,000 | -¥491,000 |
事業収益 | ¥41,694,845 | ¥41,346,974 | +¥347,871 |
受取寄付金 | ¥1,524,197 | ¥634,181 | +¥890,016 |
経常費用 | ¥70,469,194 | ¥81,207,799 | -¥10,738,605 |
事業費 | ¥43,179,290 | ¥77,019,171 | -¥33,839,881 |
管理費 | ¥27,289,904 | ¥4,188,628 | +¥23,101,276 |
正味財産期末残高 | ¥235,370,916 | ¥226,347,491 | +¥9,023,425 |
*一部抜粋
参考:日本自閉症協会公式サイト
National Autistic Societyとは?
**National Autistic Society(NAS)**は、イギリスにおける自閉スペクトラム症(ASD)の支援団体で、1962年に設立されました。イギリス全土に支部を持ち、ASDの啓発活動や支援サービスを提供しています。
主な活動内容
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自閉症支援サービスの提供:
- 専門学校の運営: 自閉症の子どもたちや若者を支援する専門学校を運営。
- 成人向け支援サービス: 自立支援や住宅支援、就労支援などを提供。
- コミュニティサポート: オンラインコミュニティや地方支部を通じて、地域社会での自閉症支援を行っている。
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教育と研修プログラム:
- 自閉症に関するトレーニングとコンサルティング: 企業向けに自閉症に配慮した職場作りのトレーニングを提供。
- 認定プログラム: 自閉症に関連する診断評価や認定を行う。
- 学校向け支援: 学校教育における自閉症支援をサポートし、インクルーシブ教育の推進。
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啓発活動とキャンペーン:
- 自閉症の理解促進: 自閉症についての啓発活動を行い、社会全体での理解を深める。
- 政策提言活動: 政府や地方自治体に対し、自閉症支援に関する政策や法律の改善を訴え、権利保護を推進。
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支援団体のネットワーク:
- 地域支部との連携: NASは、英国全土に50以上の地域支部を持ち、それぞれの地域で自閉症の支援活動を行う。
- 支援団体との協力: 他の自閉症関連団体や医療機関、福祉機関、教育機関と協力して支援体制を構築。
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研究と調査活動:
- 自閉症に関する最新の研究: 自閉症の理解を深めるための研究に取り組み、学術機関や研究者と連携。
- データ収集と分析: 自閉症に関連する調査を実施し、社会的認識や支援の改善に活かす。