児童が事業所でサービスを受ける際に、個別支援計画は必ず必要となります。
はじめに
児童が事業所でサービスを受ける際に、個別支援計画は必ず必要となります。
個別支援計画をきちんと作成できているか不安、心配な方々に向けて、今回は記事を読みながら個別支援計画作成手順が正しいかどうか確認できるように説明しています。
個別支援計画とは
個別支援計画は、利用者がどのような特徴や課題を持っているのかを明確にし、ニーズに合わせたサービスを提供することで満足してもらうことを目的としています。また、サービスを利用する上で具体的な目標を設定し、児童が自立した生活を営むことができるように適切で効果的なサービスを検討することが必要です。
個別支援計画のプロセス
個別支援計画の作成時には、児童の特徴や課題を把握し、児童と保護者が必要とするサービスを踏まえ、計画を作成する必要があります。
参照:横浜市健康福祉局障害支援課「個別支援計画を作成するにあたって」
STEP1 アセスメント
Todo
- 施設を利用予定の児童と保護者と面談
- 児童の初期状態の把握
- 児童と保護者のニーズや課題の把握
残す必要のある記録
- アセスメント内容などの記録
- 面談情報の記録
個別支援計画を作る前に、児童発達支援管理責任者が施設を利用予定の児童と保護者と面談をします。児童の初期状態、つまり児童の能力や置かれている環境、日常生活全般の状況、児童と保護者がサービスを受ける目的などを評価し、児童と保護者のニーズや課題などを把握する必要があります。
ここでしっかりとアセスメントがされてなければ、課題も支援目標も曖昧な具体性のないものになり、後々のモニタリングが難しくなってきます。また実施指導などで必要となるため、アセスメント内容などの記録を残しておくことが重要です。
ニーズ把握のヒント
参照:兵庫県健康福祉部障害福祉局 「障害児通所支援における基本姿勢・個別支援計画の作成等」
「本人支援」に即したニーズ把握 子ども本人の発達したいというニーズ ・生活習慣等の自立に向けた課題把握(できる/できない) ・運動や言語発達、認知特性の把握(得意/苦手)(強み/弱み) ・社会性、行動、情緒の発達課題の把握(未学習/誤学習) ・自分の希望(やりたいこと、好きなこと、将来の夢など)
「家族支援」に即したニーズ把握 家族の希望(どう育ってほしいか)、困りごと、不安など ・家庭内または外出時に困っていることの把握 ・子どもの特性に応じた家庭環境、子育て力等の把握
「地域支援」に即したニーズ把握 地域生活を送る上での課題、関係機関の困りごとなど ・園や学校、他施設で困っていること ・連携や役割分担が必要な機関の把握
STEP2 個別支援計画の原案
Todo
- 個別支援計画原案作成
残す必要のある記録
- 個別支援計画原案
アセスメントで得た児童の情報を元に、児童発達管理責任者が個別支援計画の原案を作ります。
個別支援計画には、足りないスキルをどのように補うか、現在の具体的な課題は何か、さらに児童・保護者の生活に対する意向や総合的な支援の方針、支援の目標と達成時期などを踏まえたうえで、一���ひとりに合わせて計画する必要があります。
短期目標(〜6ヶ月)と長期目標(1年)設定では、高すぎず低すぎず、支援期間と支援内容を考慮した上で到達可能な目標であることが重要です。
課題整理のヒント
参照:兵庫県健康福祉部障害福祉局 「障害児通所支援における基本姿勢・個別支援計画の作成等」
◎集められた初期状態の情報の整理 ・本人支援/家族支援/地域支援毎に整理 ・生物学的/心理的/社会的支援で整理
◎本人や家族等の意向 ・本人/家族/地域の各ニーズと相互関係の整理 ** **◎支援者が気になること(考えること) ・課題、要因の理解・解釈・仮説としてまとめる ** **◎支援の課題分析 ・支援が必要な課題(育てたい内容【環境含む】) ** **◎将来の見通し ・支援をするによる期待される将来の姿(到達目標)
STEP3 カンファレンス
Todo
- 個別支援計画原 案検討会議(担当者会議)************
残す必要のある記録
- 個別支援計画原案検討会議(担当者会議)の議事録
前段階で作成した個別支援計画の原案に基づいて、担当者である管理者や児童指導員等で検討会議(カンファレンス)を開催する必要があります。
原案の内容について、原案が児童の課題克服に適しているのか、サービス内容、目標設定などを話し合います。アセスメント同様、カンファレンスの記録も残しておくことが重要です。
STEP4 個別支援計画の作成
Todo
- 個別支援計画の作成****
残す必要のある記録
- 個別支援計画
原案とカンファレンスで出た意見を元に、児童発達支援管理責任者が個別支援計画書を作成します。
作成後は、支援の担当者と責任者を決め、内容についてスタッフと共有することが重要です。